昨日、僕が実際に体験した話をします。
同僚4人ほどで雑談をしていた時のことです。
ねずみの話題になり、1人(40代の南米の人)が「日本にも野良ネズミはいるの?」と聞いてきました。僕が「普通にいるよ」と答えると、
その人は両手で目を吊り上げて「やっぱりネズミも顔はこんな感じ?」と言って笑いました。
一瞬「ん?」と思いました。しかし彼が何も悪気がなく冗談で言ったことは分かっていたしその場の空気にも流され、同じように笑ってしまいました。
その後、そのことが心にずっと引っかかっていました。目を吊り上げるモーションはアジア人差別の代表的な表現ということは知っていたし、実際にそういった行為を完全な煽りとして目の前でされた方がいることも知っているので、正直、いい気はしませんでした。
一方で、彼は目が細くて吊り上がっているのをただ一つの特徴として捉えた上での発言だったことは理解していたので、差別されたとは一切思いませんでした。
しかしながら、現状、この動作をされた時点で差別だと受け取るアジア人も多くいると思います。また、彼が違った場面で僕以外のアジア人と話しているときに同じモーションをして、そのアジア人が差別だと受け取ってしまうことも十分にあり得ると思いました。
というわけで、彼が仕事を終え帰宅するタイミングで「話があるんだけど、、」と、目を吊り上げるモーションが人によっては気を悪くすること、だからジョークのつもりでもアジア人の前では使わない方がいいことを伝えました。
それを聞いて彼は驚き、ショックを受け、「まさかこれが差別になるなんて、、本当にごめん!!ジョークの一部として言っただけなんだ、、、」と謝りました。その後も何回も「本当にごめんね」と謝り、「自分が恥ずかしいよ、、、教えてくれてありがとう」と目に涙を浮かべてもいました。
僕はそんな彼を見て、心底伝えてよかったなと思いました。
彼は職場の中でも常に明るくみんなに気をつかい、とても心優しい尊敬のできる人です。だからこそたった一つの行為で彼が他の人から誤解されるのが嫌でした。
つい何日か前からイタリア人女子学生たちが電車内でそばにいたアジア系の人を「ニーハオ」と言いながら馬鹿にするという動画が大きく物議を醸しています。僕は今回でアジア人差別を受けたとは言えません。しかしアジア人差別を考えるきっかけにはなりました。